クルマとLINEでトークできるガリバー「DRIVE+」が何気にすごい件

こんにちは。Webディレクターの小山です。

以前、アマゾンで中古車が購入できるようになったことについて書きましたが、ネットの進化やスマホの急増は、車販売にも様々な影響を与えています。

【中古車業界激震】Amazonが中古車販売に乗り出しました!

こうした状況の中、中古車販売大手のガリバーが新たに「LINE」トークを介してクルマの状況を把握できる新サービス「DRIVE+」を8月から開始することが発表されました。

ガリバーインターナショナルはスマートフォン(スマホ)の対話アプリ「LINE」を使い車の状況を見守るサービスを8月から始める。

車からスマホ経由で集めた走行データを分析。有料駐車場の駐車時間や残りの燃料で何キロメートル走れるかなどの情報を運転手に提供する。

利用料は月500円。車の細かな情報を集めて中古車の買い取りや保険販売に活用する。

参照:ガリバー、愛車見守りスマホに情報 駐車時間やガス欠警告  2014/7/15 0:41日本経済新聞 電子版

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DRIVE+の主な機能としては、

  • 車を停めてからの時間を教えてくれる「停めて何分?」機能
  • 車を停めた位置を教えてくれる「車ドコ?」機能
  • 残りの燃料で走行可能な距離を教えてくれる「あとドレダケ?」機能
  • トラブルの際にロードサービスにつないでくれる、トラブルサポート機能

があります。

例えば、大型ショッピングモールなど広い駐車場にクルマを止めたドライバーが「どこに止めたっけ?」と送ると駐車位置をマップで返信してくれ、

買い物で有料駐車場に車を止めた運転手が「駐車して何分?」と送ると、自動的に「20分」などと返信され、

「あと何キロ走れる?」と聞くとガソリンの残量や車の平均燃費を基に計算し「30キロ走れる」などと返事が来るそうです。

これは何気にすごいですね。

料金は、月500円。まずガリバーで中古車を購入する顧客に提案し、来春までに他社の顧客にも広げていくそうです。

クルマから得られる様々な走行情報をクラウドに集約

ガリバーのDRIVE+は、クルマから得られる様々な走行情報をクラウドにアップロードすることで、ユーザーとの双方向なコミュニケーションを実現しています。

具体的には、「OBD2」と呼ばれる走行データなどを集めるための装置を故障診断機能の端子に付けて使い、

  • 走行距離
  • 走行時間
  • 燃費
  • ガソリン残量
  • バッテリー
  • スピード
  • 緯度経度
  • 温度
  • エンジン負荷

などの情報を「ブルートゥース」を使ってガリバーのサーバーにリアルタイムで送り、集めたデータをLINEでトークを交わすように運転手に送ることができる仕組みになります。

【DRIVE+のシステムイメージ図】

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車とのやりとりは「LINEビジネスコネクト」を利用

クルマとスマホでやり取りができる機能は、「LINEビジネスコネクト」を利用しています。

「LINEビジネスコネクト」は、今年の2月にLINE(株)が発表した、企業が自社で抱える顧客データベースや業務アプリケーションとLINEを連携して使えるサービスです。

ラインユーザーであれば、アプリをダウンロードする必要もなくすぐに
DRIVE+を使えることができるのは、魅力的です。

参照:LINEビジネスコネクトを活用したクルマとユーザー間の双方向コミュニケーションアプリ「Drive+」を実現へ 2014年7月8日 ガリバーコーポレートブログ 

インフラはAmazonのサービスを利用

さらに、興味深い点としては、システムのプラットフォームに、アマゾンが提供している、Amazon Web Services(AWS)を全面的に採用し、

走行情報の効率的な収集と、リアルタイムなデータ処理のために「Amazon Kinesis」というサービスをメインに使用している点です。

動画を見ていただければAWSを使うメリットはおわかりいただけると思いますが、LINEやAWSなど今、まさに注目されているサービスを活用している点は、とても画期的ですね。

参照:Amazon Kinesis (フルマネージド型リアルタイム大規模ストリーミング処理)| アマゾン ウェブ サービス

参照:DRIVE+のシステム基盤に『Amazon Kinesis』を採用 2014年7月8日 ガリバーコーポレートブログ

ガリバーの狙いとは

AWSに集められる車両の状態に関する様々な情報は、中古車販売に関わる様々なビジネス活用できます。

走行距離や急ブレーキの履歴など多くの情報を集めれば、最適なタイミングで車の買い取りや車検の提案をしやすくなる。

車の部品の摩耗度合いや故障の可能性も分かるため顧客ごとに整備をきめ細かく提供できる。

急ブレーキの回数などの情報を得られれば適切な自動車保険を販売できる。

参照:ガリバー、愛車見守りスマホに情報 駐車時間やガス欠警告  2014/7/15 0:41日本経済新聞 電子版

まさにビックデータの時代が本格的に到来という感じです。

さいごに

最近では、メーカーの提供するスマホアプリやカーナビ等を通じてクルマとやり取りができる機能・サービスは、新車を中心に少しずつ見られるようになっていましたが、中古車で、しかもLINEのトークを介してクルマとやり取りができるというのは、新鮮ですね。

※「DRIVE+」の装置自体は、どのメーカーの車にも付けられるそうです。

「DRIVE+」がこれからどこまで普及していくか注目していきたいと思います。