オートバックスがAmazonで購入したカー用品の交換・取付サービスを開始しました

こんにちは。Webディレクターの小山です。

先日、自動車整備業界におけるO2O施策について書きましたが

自動車整備業界に広がるO2O施策の可能性について

カー用品チェーン大手のオートバックスが9月10日より「Amazon.co.jp」で購入したカー用品を取付・交換するサービスを全国のオートバックスグループ448店舗で開始すると発表しました。

オートバックス、Amazonで購入したカー用品の交換・取付サービスを開始 | レスポンス

これまでもAmazonで購入したカー用品の交換・取付サービスをおこなう企業は、宇佐美鉱油、ロータスクラブ、カーコンビニ倶楽部などがありましたが、今回そこにオートバックスが加わった形になります。

車離れ、ネット通販、スマホ普及によりカー用品販売低迷が鮮明に

今回のニュースの背景には、最近のカー用品の販売が低迷していることがあると思います。

先月報じられた2014年4-6月期(第1四半期)の連結決算のニュースでも

オートバックス、カー用品販売低迷で営業赤字に転落…2014年4-6月期決算 | レスポンス

イエローハット、カーナビなどの販売が低迷して減収減益…2014年4-6月期決算 | レスポンス

と軒並み販売が低迷しています。

4月の消費税の増税前に車検やスタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの履き替え需要が早まった反動なども関係すると言われていますが、やはり

  • 若者の車離れ、以前より車にお金をかけなくなったこと
  • スマホの普及によりカーナビの需要が減ったこと
  • アマゾンや楽天など大手ECサイトに客が流れたこと

などがカー用品店業界の低迷につながっていると思われます。

オートバックスは、7月よりプライベートブランドを「AQ.」(オートバックス クオリティ.)として統一して展開するなど積極的に対策を講じていますが、

オートバックス、PB商品を新ブランド「AQ.」に統一
オートバックス、PB商品を新ブランド「AQ.」に統一 | レスポンス

それと並行して、全国約400店舗への集客を促すO2O施策の強化とネット上に集客チャンネルを増やすことが今回の目的ではないでしょうか。

持ち込みでの交換や取り付けはリスクが伴います

ネットで購入した商品を持ち込みで交換や取り付ける際、注意しなければいけないのが様々なトラブルです。

ネットで売られている各種パーツは、形状が微妙に異なっていたり、質が悪かったりすることも中にはあるようで、取り付けには加工が必要だったり、取り付け中に破損したりなど思わねトラブルにつながってしまうこともあり得ます。

今回のサービスの場合、カー用品の取付け・交換を希望するユーザーは、アマゾンの「カー用品 交換・取付サービス」を利用できる企業の一覧が表示されているページより

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それぞれの企業のサイト内にある交換・取付申込みサイトへ飛び、

  • 取り付け工賃
  • サービスの流れ
  • 注意事項

などを確認するのですが

オートバックスは、後発だけにトラブルにつながりそうな注意点

  • Amazonが販売する新品のみが対象となり、マーケットプレイスへの出品商品は対象外となること
  • 取付車両は国産乗用車に限ること
  • 違法改造車への作業及び、取付・交換することで保安基準に適合しなくなる場合の作業は行わないこと

がページ上部の目立つ位置に大きく表示しています。

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また保安基準に適合しなくなる場合の作業についても

別ページでイラストで詳しく表示しています。

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このようにサイト上で注意点をいかにわかり易くユーザーに伝えることもリスク回避につながると思います。

このあたりは、私も含めサイトを制作する側がしっかりと意識する必要がありますね。

さいごに

今回、記事を書くにあたり、Amazonのカー用品交換・取付サービスをおこなっているロータスクラブの関係者にお話を伺ったのですが、実際にトラブルになることもあるそうです。

あえてそのリスクを取り、集客の一部として利用する判断は、正直難しいところですが、これからの時代、少子化や若者の車離れなどの理由から顧客の奪い合いになるのは目に見えています。

ある意味「肉を切らせて骨を断つ」的な部分もありますが、少なくとも車を所有している顧客と接触できることをメリットとして捉えこのようなO2O施策を活用できるようになることが今後の生き残りの鍵一つになるのではないでしょうか。