LINEの新サービス「LINE Pay」と「LINE @」の一般開放で考えられるビジネスモデルとは

こんにちは。Webディレクターの小山です。

ご存知の方も多いと思いますが、先日 LINE株式会社の事業戦略発表イベントにおいて新サービスが続々と発表されました。

LINE、「タコ足」のように大量の新サービス–決済・弁当宅配・タクシー配車など開始へ (1/7)

参照元記事:インターネットコム編集部 2014年10月9日

今回は、この中で個人的に気になった

  • ビジネスアカウント「LINE @」の一般開放
  • 決済サービス「LINE Pay」

この2点をピックアップして今後の利用法などについて考察していきます。

現在のLINEの利用状況について一度整理します

まず、LINEの利用状況等、現在の状況を整理したいと思います。

今回「LINE」の世界ユーザー数が8月10日付けで5億6000万人を突破したことが発表されました。

2014年5月時点では、4億2000万人だったことを考えると世界的にも急速に利用者が増加しています。

次に日本国内での利用状況ですが、9月に発表された調査では、スマホユーザー全体の70%超がLINEを利用しています。

LINEの年代、性別利用率

特に若年層への浸透度は高く、10代女性は94%、10代男性は86%が利用しています。スマートフォンにおけるLINEの影響力の高さがわかります。

スマホユーザーのLINE使用率、70%超に スタンプ大量購入は男性に多い傾向?

参照元記事: ITmedia ニュース 2014年9月4日

また先日、この1年で10代のパソコン離れが急速に進んでいるとのニュースがありました。

10代でパソコン離れが急加速。パソコンからのネット接続は、1年で約3分の2に

参照記事:PR TIMES 2014年10月10日

このように10代を中心に急速にパソコンからスマホへシフトしつつあります。そして若年層を中心に圧倒的な利用度を誇るのがLINEです。

さらに従来ネットにおける顧客の囲い込みの基本であったメルマガの効果が低下し続けているという状況も見逃せません。LINE株式会社の上級執行役員の田端信太郎氏は、こう述べています。

「ある調査会社のデータによると、企業が顧客に送るメルマガの平均的な開封率はわずか10%程度。90%の企業から発信されるメルマガは、開封すらされずに読まれない。
 
ユーザーの電子メールアドレスを集めることは、ウェブマーケティングの基本であったが、今やメールアドレスを集めても届くかどうかさえわからない。
 
そんな状況において、LINEは企業とユーザーの継続的な関係を築くための、効果的な代替手段になっているのでは」(田端氏)

引用元記事:LINEはスマホ時代のCRM基盤へ/DACなど9社、「LINE ビジネスコネクト パートナー」認定へ|MarkeZine(マーケジン) 2014年10月10日 

これらの状況を踏まえ、今回発表されたサービスを見て行きます。

「LINE @」が年内に一般開放

「LINE @」が年内に一般開放

以前このブログでも「LINE @」について書きましたが、今までは、飲食、アパレル、美容、宿泊施設など“実店舗を持つ法人”が中心であった
「LINE @」が年内に一般開放されることが発表されました。

しかもこれまで「LINE @」を利用するには、審査が必要でしたが今後は、法人・個人を問わず誰でも取得すること出来るようになります。

プランも今までのものと同じで無料プランも選択可能です。

今後は、誰でもLINE上にビジネスアカウントを持つことができ、サービス・商品情報やクーポンをダイレクトにLINEユーザーに配信することが可能になります。

スマートフォンから支払いができる「 LINE Pay 」

スマートフォンから支払いができる「 LINE Pay 」

「LINE Pay」は、「LINE」上で決済ができるアプリです。

このアプリにクレジットカード、銀行口座などを登録しておけば、決済時にいちいち個人情報を入力しなくとも決済ができるようになります。

注目すべきは、従来の決算機能に加え「LINE Pay」の独自機能として

  • LINE上の友人複数人と支払いを「割り勘」する機能
  • 銀行口座を知らなくても友人のアプリ上の口座に送金する機能

などが発表されたことです。LINEのグループ内で多彩な決算方法が可能になり様々な可能性が広がります。

『LINE Pay』の最も大きな課題は、セキュリティ対策です。相次ぐLINEアカウントの乗っ取りが大きな問題となっていますが、「LINE Pay」はLINEとは別の認証システムを利用すると説明されています。

決算システムだけに盤石なセキュリティ対策が求められますが、ここが信頼できるものになれば強いサービスだと思います。

※ちなみに現時点で銀行口座紐付けに対応している銀行は、みずほ銀行と三井住友銀行になります。

LINE:支払いアプリ「LINE Pay」公開へ 友人と「割り勘」機能も

参照元記事:毎日新聞 2014年10月9日

この2つのサービスで考えられるビジネスモデルとは?

「LINE @」が店舗を持つ法人だけでなく一般にも解放されたことで

  • ビジネスを始めたばかりの人
  • スタートアップ企業
  • 個人経営のネットショップ
  • 店舗を持たない人
  • 直売したい農家・酪農家
  • ハンドメイドの作品を売るアーティスト
  • バンド・ミュージシャン

このような方も事業主として情報を発信していけるスペースをLINE上に持つことが出来ます。

もちろんこれまでもLINE内で特定のグループを作ることはできましたが今回は、あくまで自らのビジネスとしてコミットメントした上で様々な情報を発信することができます。

また「LINE Pay」を利用することでLINE上での支払い・決算が可能になります。

「LINE Pay」の独自機能のグループ内での「割り勘」機能やアプリ上の口座への送金機能を利用することで

  • グループ内での共同購入(野菜など)
  • 賛同者から事業資金を集める(スタートアップ企業など)
  • グループ内での楽曲の販売(バンド・ミュージシャンなど)

など様々なことが考えられます。

他にはない独自性を持つ商品・サービスを扱い、比較的小規模のマーケットが対象なビジネスをおこなっている方には、非常に使えるサービスではないでしょうか。

さいごに

少し前にネットで面白い記事がありました。

立地も悪くお店はボロボロ、のれんすら出していないお店がなぜ潰れないかをレポートした記事ですが

【飲み屋学】のれんを出さずに営業するあの店はなぜ潰れないのか

参照元記事:オモコロ 2014年7月23日

タクシー会社のご用達のお店として、常連客で固定されていることで40年間変わらずに営業を続けているそうです。

このように自分が提供できる量を必要な人数に提供することで成り立つというビジネスモデルは、これからも多いにあり得ます。

「LINE Pay」と一般開放される「LINE @」を利用することでネット上でも実現できるのではと思います。