ガリバーが仕掛ける中古車購入や売却におけるO2O戦略についての考察

こんにちは。Webディレクターの小山です。

先日、ガリバーの「DRIVE+」について書きましたが、

クルマとLINEでトークできるガリバー「DRIVE+」が何気にすごい件

今度は、ソフトバンクのO2Oサービス「ウルトラ集客」を利用したキャンペーンを開始するとの発表がありました。

ガリバーは、ソフトバンクテレコムとヤフーが提供するO2Oサービス「ウルトラ集客」の新しい仕組みを活用したキャンペーンを8月13日から展開する。

また、ガリバーは今後の中古車販売促進活動に「ウルトラ集客」を継続的に活用するとともに、デジタルマーケティングへの取り組みを強化する。

参照:ガリバー、ソフトバンクのO2Oサービス「ウルトラ集客」を活用しマーケティング強化 | レスポンス | 2014年07月23日(水)

正に矢継ぎ早に手を打っている感があります。

そこで今回は、このキャンペーンを通してガリバーの狙いについて考えていきたいと思います。

ソフトバンクのO2Oサービス「ウルトラ集客」とは?

まず、ソフトバンク/Yahoo!JAPANのO2Oサービス「ウルトラ集客」について説明させていただきます。

「ウルトラ集客」は、簡単に言うと、ネット上からクーポンやセールなどの情報を発信して実店舗への集客を誘導する、いわゆる、OtoO(Online to Offline)と呼ばれる施策を促進させるサービスです。

具体的には、Yahoo! JAPANの様々なページ・サイトでキャンペーン情報を告知、キャンペーンサイトへ誘導し、プレゼントの抽選やアンケート等を利用して、店頭の商品と交換をするためにお得なクーポン情報などの特典を訴求、

ウルトラ集客

実店舗に設置されたクーポン発券機「CouponGATE」で来店したユーザーの来店・クーポン利用実績をリアルタイムに確認、

クーポン発券機「CouponGATE」で来店したユーザーの来店・クーポン利用実績をリアルタイムに確認

蓄積される

  • 来店者の属性
  • アンケート結果
  • 広告クリック数

などの多様なデータをさらにマーケティング活動で活用するというものです。

参照:ウルトラ集客 | SoftBank

ガリバーは既に、昨年の11月から「ウルトラ集客」を導入し店舗集客や店舗認知に活用しています。

今回、注目すべき点は、この「ウルトラ集客」の効果をさらに高めるために「Yahoo! JAPAN」が提供するWEB広告「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」を組み合わせたことにあります。

次にYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)についてご説明します。

Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)とは?

Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)は、「Yahoo! JAPAN」が提供するクリック課金型のWEB広告です。

検索結果に広告を表示するリスティング広告とは異なりYDNは、Yahoo!ニュースやヤフオク!などYahoo! JAPANのコンテンツページやYahoo!の提携サイトのコンテンツページに広告が表示されます。

Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)とリスティング広告の違い

Yahoo!JAPANのIDや登録情報、サイト閲覧履歴、検索履歴などに基いてユーザーの興味・関心のあるカテゴリーに分類し、サービスにマッチするカテゴリーを指定して広告を配信することができます。

またターゲットユーザーの行動履歴データに応じて柔軟に配信内容や告知内容を切り替えることも可能です。

「ウルトラ集客」とYDNを併用することの意味とは

YDNを使うことで、

  • 地域
  • 年代
  • 性別
  • 曜日
  • 時間帯
  • 閲覧サイト
  • 興味関心
  • 過去の閲覧履歴、訪問経緯
  • 検索したキーワード

などターゲティング方法から、自動車の購入や売却に関心がある潜在層、顕在層を絞り込み、効率的かつ能動的にアプローチすることが可能なります。

ネット上から、より関心の高いユーザーをキャンペーンサイトに誘導することで「ウルトラ集客」の効果を高めることができます。

今回のキャンペーンについて

次にキャンペーンの内容について見て行きます。

今回の発表によると

今回の「ガリバー20周年記念特別企画 お客様還元キャンペーン」は、8月13日から26日まで実施。

Yahoo! JAPANのページに掲載されている「お得情報」、または表示されたYDNの広告をクリックし、Yahoo!JAPAN IDにログインした状態で応募した人の中から抽選で500名が当選となる。

当選者が実際に対象店舗に来店し、当選メールに表示されたクーポン画面をクーポンゲートにかざすことで来店認証が行われ、その認証情報に基づき、

クルマを購入した顧客には2万ポイント
売却した顧客には1万ポイント
査定もしくは見積もりの顧客に2000ポイント

など最大3万2000ポイントのTポイントがプレゼントされる。

参照:ガリバー、ソフトバンクのO2Oサービス「ウルトラ集客」を活用しマーケティング強化 | レスポンス | 2014年07月23日(水)

とあります。

キャンペーンの受け口になる店舗は、直営店舗だけでなくフランチャイズ系列店舗を加えた全国約370店舗を対象にしているそうです。

このキャンペーンでのポイントを整理すると

(1)YDNを活用して自動車の購入や売却に関心がある潜在層、顕在層にアプローチ、キャンペーンサイトに誘導

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(2)キャンペーンサイトでYahoo!JAPAN IDにログインしたユーザーにクーポンを抽選でプレゼント

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(3)全国約370店舗の対象店舗にてクーポンゲートで来店認証、認証情報に基づきTポイントをプレゼント。

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(4)蓄積された一連のデータをさらにマーケティングに活用

という流れになります。

今回のキャンペーン期間は、約2週間なので、恐らくテスト的な意味合いも強いと推測されますが、自動車という高額耐久商材のO2O施策としては、とても画期的な試みといえます。

さいごに

今まで、中古車販売におけるWEB広告は、高額商材だけに問合せは、獲得できても成約に至るまでは、カバーが出来ず、効果測定が難しい側面がありました。

月間総ページビュー数が平均507億に達する国内最大級のポータルサイトYahoo!JAPANとその提携サイトから関心の高いユーザーを集め、効率的に来店に促す今回の仕組みは、広告から来店までの流れをすべて把握することが可能になります。

先日ご紹介した「DRIVE+」もそうですが、ガリバーさんは、先を見据え、ビックデーターを活用した「来店・購入を促す仕組み」を着々と整えつつありますね。今後も注目していきたいと思います。